災害が起きたとき、まず命を守れるか。

最終更新:2026年6月

どれだけ事業継続の計画を立てても、従業員の安全が確保できなければ意味がありません。災害が発生した直後に「どう連絡を取るか」「どこに逃げるか」「何が倒れてくるか」——この3つを平時のうちに整えておくことが、すべての備えの土台になります。

安否確認手段を決めておく

災害直後は電話が繋がりにくくなります。複数の連絡手段を事前に決め、全員に周知しておくことが重要です。

やるべきこと

  • 安否確認の手段を複数用意する——電話以外にSMS、LINE・メール、災害用伝言ダイヤル(171)など。1つに頼らない。
  • 連絡先リストを紙でも持つ——スマホが使えない場合に備え、主要な連絡先を印刷して職場・自宅の両方に保管。
  • 報告ルールを決める——「誰が」「誰に」「何分以内に」報告するか。報告がない場合の対応も決めておく。
  • 家族の安否確認も考慮する——従業員が家族の安否を確認できないと、職場に留まれない。家族間の連絡手段も促す。
安否確認手段の全体像:SMS・LINE・メール・171の複数手段を用意し、連絡先リストを紙でも持つ。報告ルール(誰が・誰に・何分以内に)を決め、家族の安否確認も考慮する。

災害用伝言ダイヤル(171)

NTTが災害時に開設する伝言サービス。毎月1日・15日に体験利用できる。「171」に電話→ガイダンスに従い伝言を録音・再生。従業員への周知と体験利用を推奨。

避難経路・避難場所を確認する

「いざというとき、どこに逃げるか」を全員が知っている状態を作ります。

やるべきこと

  • 避難場所を確認する——自治体が指定する避難場所を確認する。
  • 避難経路を複数確認する——建物の倒壊やブロック塀の崩壊で通れない可能性に備え、2つ以上のルートを想定する。
  • 避難経路図を掲示する——事業所内の各フロアに避難経路図を掲示し、非常口の位置を明示する。
  • 津波・水害エリアでは高台への経路を優先する——浸水想定区域にある場合、垂直避難(上の階へ)か水平避難(高台へ)かを事前に判断しておく。
  • 夜間・休日の避難も想定する——就業時間外に被災した場合の集合場所・連絡方法も決めておく。
避難経路・避難場所の確認:指定緊急避難場所と指定避難所の違い、複数ルートの確保、避難経路図の掲示、津波エリアでの垂直・水平避難の判断。

落下・転倒防止をする

地震による負傷の多くは、家具・設備の転倒や物の落下が原因です。固定するだけで防げるケガがあります。

やるべきこと

  • 書棚・ロッカー・キャビネットを壁に固定する——L字金具や突っ張り棒を使用。重いものは下段に収納する。
  • OA機器・パソコンを固定する——耐震マット・ベルトでデスク上の機器を固定。サーバーラックはアンカーボルトで床に固定。
  • 窓ガラスに飛散防止フィルムを貼る——ガラス破片による負傷を防ぐ。特に人が通る場所や避難経路沿いを優先。
  • 天井の照明・吊り下げ物を確認する——落下防止ワイヤーの設置。重い照明器具は補強を検討。
  • 棚の上に重い物を置かない——高所の荷物は地震時に凶器になる。重量物は腰高以下に配置する。
  • 通路・避難経路をふさがない——転倒した家具が避難経路をふさぐ配置を避ける。
落下・転倒防止の対策:書棚やロッカーの壁固定、OA機器の耐震マット、飛散防止フィルム、天井照明の落下防止ワイヤー、重量物の低所配置。

まずは職場を見渡すことから

特別な工事がなくても、「固定する」「下に移す」「通路を空ける」だけで安全性は大きく変わります。今いる場所で、倒れてきそうなもの・落ちてきそうなものがないか、一度見渡してみてください。

次のステップ

本ページは一般的な対策の概要を示すものです。具体的な耐震工事や設備固定については、専門業者にご相談ください。